コラム

998      自動車保険U

お客さんが慌てて私の事務所を訪れて、保険に入れてくれといってくるのは大体二つの種類がある。

そのひとつはパニックになっていて、事故がおきそうだから入るというのと、すでに事故がおきてしまったので、はいるというのがそうだ。

事故がおきてから保険に入ったのでは何にもならないだろうと考えるのは普通なのだが不思議な事に年輩の人の中にはこういうタイプが結構いる。

自分はきっと事故などしないと信じていたので保険にも入らずに居たが事故ってしまったものだからあわてて入りに来るというものだ。

だからその使用目的によって入る保険のウエイトが変わってくる。ひとに寄って入り方が少しずつ違う、その違いをみてみよう。車の保険は大きく分けて五種類ある。

強制保険といわれる自賠責と対人、対物、車両、搭乗者(人身を含む)などである。車検の時に、入らされる自賠責は相手の人に対しての保険であるから、他の諸費用である重量税や印紙代などにくらべてグズグズ言う人は少ない。

任意保険の中でも対人保険はお世話になる機会は滅多に無いのだがどういうわけか皆、無制限を選ぶ。5000万円や7000万円を選ぶ人がいないではないが大抵は無制限だ。一般的には少し足らないと思われている7000万円を選ぶ人は少ないが居るにはいる。

記憶によるとその人たちは例外なく大金持ちだ。金が有るから足らなくなったら土地を売ればいいとその人たちは言っている。ではなぜ中途半端に7000万円にはいるのか?聞いてみたらこう言った。

「7000万円有ればたいていの人身事故で足りるし、もし足らなくてもわずらわしい事は全部保険会社がやってくれるではないか。不足分だけなら払ってやるよ」と言った。

金持ちたちは人の命の値段まで良く知っているものだなぁと感心する事が有った。7000万円と無制限の保険料の差はそんなに多くないのだが金持ちは殆んどがケチなのでこの差を大事にするようだ。

だから金持ちになったのかもしれないなどと思ったりした。対物保険は最近は無制限が出たせいか等級の進んでいる人は皆これだ。

他に段階として500万円と1000万円がある。500万円は軽四輪に乗っている奥さんなどに人気がある。1000万円は普通車で未だ等級の低い人に多く、一般的なところだ。対物保険として2000万円や3000万円を選ぶ人は少ない。

無制限との保険料の差がほとんどないことがその理由だ。保険会社によっては保険料を下げる為に対物保険に免責を付けるところがあるがこれはあまり感心できない。

理由は事故を起こす時と言うのは精神的余裕も少ないが金銭的余裕も少ない時が多いということがあげられる。自分の車の修理代に金がいるのに相手の車の修理に5万円の免責分はなんとも可哀想と言うか、ばかばかしいと思うのは私だけだろうか。

搭乗者傷害保険は自分の車に搭乗している人が事故で怪我した時に出る。運転者は出ないと勘違いしている人が多いのだが運転者も搭乗者なので対象になる。自賠責は同乗者には出るが運転者には出ない。

この辺から勘違いが起きたのだろう。運転者には相手の車の自賠責が利用できる。同乗者も出るから搭乗者傷害保険というのは同乗者も運転者も自賠責と搭乗者保険が二重にもらえる。この保険は今頃2種類に分かれてきた。

昔からあるところの、入院したら、又は通院したら一日いくらと契約した金額が出るのと部位別症状であらかじめ決められた金額が医師の診断書の元で払われると言うものだ。

例えば軽いムチウチなら5万円とかである。どちらがいいかは好みの問題だからどっちともいえないが、日払いは現金が入ってくるので人気が高いが世の流れとしては部位のほうにいきつつあるし、保険会社も支払いを減すために部位を薦めろと言ってきている。

そのうち日払いはなくなるかもしれない。今頃流行っている人身障害保険と言うのは大きく分けて三つに分けられる。道で転んでも出るのと、すべての交通機関で怪我した時に出るのと自分の車に乗っている時だけに出るのと、後者になるほど限定されるので保険料が安い。

3000万円とか5000万円の単位ではいるのだが主目的は病院の治療代として充当するために掛けられる事が多い。車両保険は入る人の個性が強く出るおもしろい部分だ。途中から車両保険を追加する理由をいくつかあげてみよう。

○新車にしたのではいる、、、、、ごく一般的だ。

○団地内で最近、車への落書きが多発しているのではい
                                              る、、、、ときどきある。

○事故した直後にはいる、、、、修理代をどっさり取られ
                    て いっぺんで性根がはいったということだ。

○11月になったらはいる、、、スキーに行く人のパターン
                          だが滑って川に落ちたらいけないから

○離婚したので入る、、、、分かれた旦那が夜中に襲撃
                              に来るかもしれないので。、、、、、  

○週刊誌に今年は台風が来ると書いてあったから入る
                         、、、、、、すでに車に小さい傷があ
                                   るの だが修理するのは大儀
                                                 だと言う人が入る。

○友達の車が盗まれてしまってローンだけがのこった
                        、、、、、保険に入りたくなるのも無理
                                                               はない。

車両保険を途中でやめることは滅多にないのだけれどたまにあるのでその理由をみてみる。

会社をやめた。エンジンが壊れたので古い軽四輪に替えた。子供が私立大学に行きだした。女房が妊娠してパートに出れなくなったので家のローンは主人一人で払わないといけなくなった。

 

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